この記事では、動画に高級感を出すために有効な設定を、サンプル映像を交えて解説します。

高額商品やファッション系のアイテムを動画で紹介する場合は、映像自体から高級感を「感じさせる」かが重要です。しかし、ただやみくもに撮っただけでは、たとえ高級ホテルのラウンジのような場所で撮影しても、どことなく安っぽい空気感になってしまいがちです。

しかし、特に実写映像については、以下の3点をおさえるだけで驚くほど深みのある、優雅な雰囲気を出すことが可能です。サンプル映像と併せてご覧ください。

1.スロー映像にする

サンプル映像は、左側が元の速度、右側が速度を1/2したスローです。現実の速度はどこか「せかせか」しているのに対し、スローはゆったりと、より印象的な映像となっています。時間の長さが倍に伸びても、意外なほど自然に見えるのも実感して頂けると思います。

スロー映像のポイントは、専用のモードで撮影して「なめらかなスロー」にすること。普通に撮った映像をスローにすると、間のコマが抜けるのでカクカクした動きになり逆効果の場合もあります。なめらかなスローの撮影できるモードはiPhoneのカメラにも装備されるなどかなり一般化しているので、お手持ちのデバイスにも機能があるか確認してみましょう。

2.「24コマ」で撮影する

同じテレビドラマでも、「日本のドラマ」と、いわゆる「海外ドラマ」は雰囲気が違うと感じたことは無いでしょうか?様々な要素はあるものの、一番大きく作用しているのは「映像のコマ数」です。

日本のドラマの多くは、1秒間に30コマ(正確には「60コマ相当」と言えるのですが、複雑になるのでその点は別の記事で解説します)で撮影されています。これはニュースやスポーツ中継、バラエティ番組などの映像と同じで、現実と地続きの生々しさがあります。

一方、多くの海外ドラマは1秒間に24コマで撮影されており、これは「映画」と同じ数値です。24コマで撮ると、現実にベールが一枚被ったような、そこはかとない「物語感」が出てきます。

例えば人気の刑事ドラマ「相棒」は、テレビ版は30コマ、劇場版は24コマの映像になっています。両方観た方は「かなり雰囲気が違う」と感じたのではないでしょうか?

実際のサンプル映像でご覧ください(こまめに交互に見るより、片方ずつじっくり見た方が実感しやすいです)。

高級感は「ストーリー」に裏打ちされて出るものなので、あまりに現実的な生々しさがあると安っぽく感じがちです。一般向けのビデオカメラにも、多くの機種に映画的な24コマのモードが装備されています。

3.色とコントラスト

こちらの映像をご覧ください。

左右どちらが強く印象に残るでしょうか?おそらく多くの方は「右」と答えるはずです。

映像は、光として目に飛び込んだ後は「脳」で認識・記憶されます。脳は全ての情報をそのまま処理するのではなく、特徴的な部分を取捨選択して「デフォルメ」しています。

サンプル映像は、左が現実に近いバランス。右は、暗い部分をより暗く、明るい部分をより明るくし(コントラストの向上)、さらに特定の色を強調しています。現実に近い方はどこか散漫になるのに対し、デフォルメを加えると情報が整理されてよりストレートに脳に作用するようになります。

最後に、3つの処理を「全部のせ」したサンプルをご覧ください。

映像に高級感を出すテクニックはさらに膨大に存在しますが、今回の3つをおさえるだけでも非常に大きな差が生まれます。是非お試しください!

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大須賀 淳
映像作家、音楽家。企業ビデオ等様々な映像・音楽コンテンツを制作すると同時に、書籍や雑誌での執筆、世界トップクラスのオンライン学習サイト「lynda.com」等での講師、製品デモなども数多く務める。公式サイト「大須賀淳のバランス感覚」